香りを「知る」ということ
ラベンダーは、精油の中でも特に身近な存在です。
アロマに親しみのある方はもちろん、初めて精油に触れる方にとっても、どこか安心感のある香りとして知られています。
一方で、「ラベンダー」と一括りにされがちな香りの中には、植物としても、精油としても異なるものが含まれていることは、あまり知られていません。
このコラムでは、精油を扱う立場から、ラベンダーとは何か、そして混同されやすいラバンディンとの違いについて、基本となる考え方を整理していきます。
ラベンダー(真正ラベンダー)とは
一般に「ラベンダー」と呼ばれるものは、真正ラベンダー(Lavandula angustifolia)から抽出された精油を指します。
ラベンダー
- 基本情報
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学名 Lavandula angustifolia 和名 真正ラベンダー/イングリッシュラベンダー 科名 シソ科 抽出部位 花・葉 抽出方法 水蒸気蒸留法 主な産地 フランス、ブルガリア、オーストラリア など - 香りの特徴
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ノート ミドルノート 主な芳香成分 リナロール、酢酸リナリル、β-カリオフィレン など
※成分構成は、産地・収穫時期・蒸留条件によって異なります精油の色 無色〜淡い黄色 やわらかく、フローラルで角のない香りは、多くの方が「ラベンダーらしい」と感じる印象に近く、ブレンドの軸としても使いやすい精油です。
- 相性のよい精油例
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オレンジスイート、ベルガモット、ゼラニウム、フランキンセンス、シダーウッド
ラバンディンとは
ラベンダーと非常によく似た名前と香りを持つ精油に、
ラバンディン(Lavandula × intermedia)があります。
ラバンディンは、
・真正ラベンダー(Lavandula angustifolia)
・スパイクラベンダー(Lavandula latifolia)
この2種の自然交雑によって生まれた植物から抽出される精油です。
同じラベンダー属ではありますが、
真正ラベンダーとは別の植物・別の精油として扱われます。
ラバンディン
- 基本情報
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学名 Lavandula × intermedia ‘Grosso’ 科名 シソ科 抽出部位 花・葉 抽出方法 水蒸気蒸留法 主な産地 フランス(プロヴァンス地方)、スペイン など - 香りの特徴
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ノート ミドル〜トップ寄り 主な芳香成分 リナロール、酢酸リナリル、1,8-シネオール、カンファー など
※真正ラベンダーより、1,8-シネオールやカンファーを含む傾向があります精油の色 無色〜淡い黄色 ラベンダー調のフローラルさに、シャープでハーバルな印象と、すっきりとした清涼感をあわせ持つ香りです。
真正ラベンダーと比べると、より「キリッとした」「はっきりした」香りと感じられることが多い精油です。 - 相性のよい精油例
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レモン、グレープフルーツ、ユーカリ、ペパーミント、ティーツリー
なぜラベンダーとラバンディンは混同されやすいのか
ラベンダーとラバンディンは、
・香りの方向性が近い
・名前が似ている
・同じラベンダー属である
といった理由から、日常的にはまとめて「ラベンダー系の香り」として扱われることが多くあります。
しかし実際には、
・成分構成
・香りの立ち上がり
・印象の強さ
・用途の選ばれ方
に違いがあり、精油としては明確に個性の異なる存在です。
ラベンダー(真正ラベンダー)の香りの特徴
真正ラベンダーの香りは、フローラルでありながら甘さが控えめで、清潔感と落ち着きを併せ持っています。
主張しすぎず、日常の中で自然に取り入れやすい香りであることも、長く親しまれてきた理由のひとつです。
香りの感じ方には個人差があります。まずは少量から、自分にとって心地よい距離感を探してみてください。
暮らしの中での楽しみ方
アロマディフューザーで空間に香りを広げる
お部屋に優しく香りが広がります。気分転換や就寝前におすすめです。
ハンカチやティッシュで香りを楽しむ
お部屋に優しく香りが広がります。気分転換や就寝前におすすめです。
オリジナルバスソルトで香りを楽しむ
- 材料(1回分・目安)
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- 天然塩(粗塩や岩塩など):大さじ2
- ラベンダー精油:1~2滴
- 好みでドライハーブ(ラベンダー花穂など):少量
- 作り方
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- ボウルに塩を入れる
- ラベンダー精油を滴下し、スプーンでよく混ぜる
- ドライハーブを加えてさらに軽く混ぜる
- 湯船に入れて香りを楽しむ(1回分ずつ使う)
安全に楽しむポイント
精油は濃縮された天然の香り成分です。
ライブラでは、AEAJ(日本アロマ環境協会)のガイダンスに沿った安全な使用方法を前提として、日常で楽しめる分量や使い方をご紹介しています。
- 肌に直接つけず、必要に応じてキャリアオイルで希釈
- 食用や飲用は避ける
- 子どもやペットの手の届かない場所で保管
詳しくは、AEAJ公式サイトの安全ガイドラインをご参照ください。
AEAJ 安全ガイドライン はこちらラベンダーを比べて楽しむ
精油は、たとえ同じ名称や同じ学名であっても
・産地
・土
・壌や気候
・収穫時期
・蒸留方法
・メーカー
によって、香りの印象が大きく変わります。
これは、ワインの世界で語られる「テロワール」にも通じる考え方です。
「ラベンダーの香りはこれが正解」というものはなく、
さっぱりとしたもの、
やわらかく甘みを感じるもの、
ハーブ感が際立つものなど、
それぞれに個性があります。
ライブラでは、品質と香りに自信を持って精油をご紹介していますが、同時に、さまざまなラベンダーに触れながら、ご自身にとって「これが好き」と言える一本を見つけていただくことも、香りを楽しむ大切なプロセスだと考えています。
まとめ|ラベンダーを知るということ
ラベンダーは身近で親しみやすい香りでありながら、植物や精油としての背景を知ることで、その奥行きがよりはっきりと見えてきます。
真正ラベンダーとラバンディンは似ているようで別の存在。
その違いを知ったうえで香りに向き合うことで、選ぶ楽しさも、感じる深さも広がっていきます。
次回は、柑橘系精油のひとつ「ベルガモット」についてご紹介する予定です。